療養が絵を描くきっかけでした
2021年、大病を患い、ぶどうの収穫を終えてから、5か月ほど療養をしていました。
免疫力が下がり、土や生花を触れない時期が続き、家に閉じこもっていたのをきっかけに、昔描いていた絵を再開しました。
インスタグラムにアップしたら、面白がってくださる人もいて、それを励みにどんどん描いています。
テーマは、糠地やぶどう畑の生命のエネルギーです。
絵を再開したきっかけ「ゼンタングル」
父が自宅でアニメーションを作る仕事をしていたので、子どものときから絵はいつも身近にありました。
会社に就職してからも、アートフリマに参加したり、リトグラフや植物画の教室に通ったりしていましたが、ここ10年くらいはすっかり絵を描かなくなっていました。
再開のきっかけは、家で時間を持て余していた療養中の12月に受講した、ゼンタングルを使ったクリスマスカードづくりのオンライン講座でした。
ゼンタングル(ZentangleⓇ)は、パターンを曼荼羅のように繰り返し描くことで、誰でも手軽に美しい絵を描くことができ、同時に癒しの効果があるとして、アメリカのリック・ロバーツさんとマリア・トーマスさんが確立したアートメソッドです。ゼンタングルのZenは、「禅」からとったそうです。
ゼンタングルの模様(Tangles)などを使って描いてみた絵(2021/12)
似たようなパターンアートはそもそも世界中の民族文様などに見られますが、これを表現の手法の一つとして概念をまとめたことで、世界中の似たような絵を描いていた人たちが「おっこれはゼンタングルと呼ばれるジャンルなのだ」と気づき、あるいは、積極的にその模様を取り入れて、SNS上では「Zentangleinspiredart(ゼンタングルに触発された絵)」は一大ジャンルとなっています。(そのまえはDoodleArtなどと呼ばれていたものがそれに近かったです。)
私も、へんな落書きアート(DoodleArt)を20代のころから描いていましたが、「ゼンタングル」というジャンルを知って、何か自分が手癖のように描いていた世界に近いものを感じ、新しい画材を得たような気がしました。「ゼンタングル」を描くのが目的ではなく、水彩やパステルなどの「画材のひとつ」という感覚です。
ラテン語などと組み合わせて、昔の博物画みたいな雰囲気を出すようにしています。
地中の微生物が生き物を分解し、大地のエネルギーとなって湧き出てくるパワーに惹かれます。「ナウシカ」の腐海の植物を集めたラボみたいなイメージが好きです。
芽吹き(2022/2)
人間が自然の限られたリソースを大切にし、地球上の多様な生物たちが共存していかねばならないことが叫ばれる現在、宮崎駿さんが40年前に描いた「ナウシカ」のテーマは、非常に今日的であったと感じます。
大地を生きる生き物たちの連環、草花の季節の移り変わりなど、描きたいものはまだまだたくさんあります。
少しずつ描いていけたらと思っています。
私にとって、描くことは癒しです。拙い絵ですが、見てくださる方々に心から感謝いたします。
糠地に飛来するアサギマダラのイメージ(2021/12)
Flower Wreath(2021/12)