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2021/02/20
今年の収量を決める剪定作業

春のような温かさなので、冬期の休眠期に終わらせておくべき剪定作業を急いでいます。
暖かくなると、ブドウの木が目覚めて活動を始め、水を吸い上げてしまうので、その前に余分な枝を切っておく必要があります。庭木(落葉樹)でも、冬期に庭師さんがきれいに刈り込むのは、同じ理由によります。
ブドウ樹が4年目を迎えて大きくなってきたので、作業負荷が昨年より圧倒的に大きいです。造園学校時代に買った高い剪定ばさみがイカレそうです。切るべき枝が太くて数も多く、腱鞘炎になってしまいそう。アルザスのダンバッハ・ラ・ヴィルのブドウ畑で作業していた方が、背負い式の電動剪定ハサミを使っていたのも納得です。
アルザス、ダンバッハ・ラ・ヴィルのブドウ畑で(2018年)。バッテリーを背負って電動ハサミで作業されてました。この数を処理するには欠かせないですね
ブドウは、今年新しく伸びた枝(新梢)の付け根に実ります。一枝2房が基本です。私の畑は、基本的にギヨ・サンプルという仕立てで、1本の枝を残して斜面の上に向かって倒し、その枝から芽を生やしてブドウをならせます。
つまり、この剪定で1本残した枝にある芽の数×2倍以上の房は、今年はならないわけです(実際には余分な芽をかくのでもっと減ります)。
うっかりトラカミキリの幼虫が住み着いている枝を残してしまったら、5月ごろにボッキリと腐って折れてしまうので、その樹の収量は半減します。
今年の樹形、収穫量を決める大事な作業であると同時に、来年の枝ことも考えて切る必要があり、1本移動するごとに、どこで切るかをじーっと考えます。こーでもない、あーでもない、と、いい枝っぷりのを選び、なめるように虫の穴をチェックし、よし、と決意したら、バチンと昨年太くなった母枝を切り、太すぎてきれないのはのこぎりでギコギコやり、その切り口に、トップジン(乾燥防止の塗薬)を塗ります。
なので、時間かかりすぎ!
こんなスピード感では、大きな圃場をてきぱき処理している人たちに笑われそうです。いつになったらあのようにちゃっちゃとできるのか??
もちろん、枝の伸び方には生理的な法則がありますが、1、2年目の切り方のまずさや、予定外の枯れ、虫の被害などがあいまって、教科書通りにいきません。これこそ、1年に1度、やりながら覚えていくしかありません。剪定は、いちばん学びの多い作業かもしれません。
2021/02/16
試飲をしてきました!

コロナでしばらく委託醸造先のテールドシエルさんのところに顔を出せていませんでしたが、おととい、私のワインの試飲をさせていただきに行きました。
まずは、ペティアン。すでに瓶詰めしてあるので、1本開けました。色はくすんだサーモンピンクで薄いですが、香りは豊か。すごくいろんな味わいがします。アルコール度数は11度だそうですが、ほんのりやさしい泡で、グビグビ行けてしまいます。醸造してくださった桒原さんによると、あまり冷やさず8~12℃くらいで香りを楽しんで飲むのが適温だと。夏だと、もう少し低めの温度でキューっといっちゃうのもいいですね。
ビンに残ったのを持って帰って、昨日は自宅で家族と一日遅れのバレンタインの乾杯をしました。いつも畑を手伝ってくれる家族のみんなに感謝を込めて、初の乾杯。(娘たちはまだ飲めないけれど、格好だけ。)
赤のほうも、樽でいい感じに熟成中です!こちらも、野生酵母のみで醸造していただきました。アカデミーの同期の友人・川口さんのワインもいろいろいっしょに飲ませていただき、勉強になります。
テールドシエルの醸造所の中は、樽がずらっと並んでいました。すっかり委託醸造ワインの見本市みたいになっています。
年が明けてから、地下鉄に置かれたメトロミニッツ、日経トレンディ等、様々な媒体にテールドシエルさんが登場しています。テールドシエルのワインは初ビンテージ以来毎年飲んでいますが、今年はワイナリー設立で自家醸造が始まった記念すべきビンテージ。こちらもますます楽しみですね。
今年1月、東京の地下鉄駅で配布されるフリーペーパー、「メトロミニッツ」に登場した桒原さん。
2020/11/03
ペティアンを瓶詰めしました

最初に仕込んだ白ワインは、発酵終盤に、後から仕込んだ赤のもろみ果汁(発酵中のまだ糖分の多い果汁)を投入して発酵を調整。美しいサーモンピンクのペティアンとして瓶詰めされました。
瓶の洗浄機。プシュ―っと水が出てきます
瓶詰機械。乳しぼり感があります
自然なワイン造りをしているテールドシエル醸造長の桒原さんが、選抜された培養酵母を添加せず、どうやってブドウについている野生の酵母だけで発酵を進めていくのか、最初の白ブドウを仕込んで以来一か月余り、その過程は非常に興味深いものでした。
ワインの状態によって、白ワイン→白のペティアン(微発泡ワイン)→赤と白を合わせたロゼワイン→やっぱり白を活かし、ちょっと赤の果汁を追加したピンクのペティアン…というふうに、できあがり予定がどんどん変わっていくのです。「ブドウがなりたいワイン」にしていくため、蔵の中で、ひたすらブドウと向き合い、「ブドウの声」を聞き取る作業をつづけられているように見えました。
で、結果的に、こんなに美しいペティアンが出来上がりました。野生酵母のみ、亜硫酸無添加、無濾過・無清澄のピンクのにごりワインです。(ペティアンという言葉になじみがない方もいらっしゃるかもしれません。発酵途中で瓶詰めし、残りは瓶の中で発酵する微発泡ワインです。酵母の力による優しい泡で、カジュアルにごくごくのめるタイプのものです。)
「複雑な味わいがします」と楽しそうに試飲する桒原さん
瓶詰前に試飲してみました。さわやかな酸味と共に、滋味というか、アミノ酸系の旨みのようなものを感じました。和食にも合いそうです。(自分で育てたぶどうのワインに合う料理を考える! なんて楽しいんだ!)
瓶に詰められて、残りの発酵が進むのを待ちます。さあさあ、酒販免許申請+販売サイトの準備を急がないと! いよいよ、おしりに火が付いてます。
桒原さんにせっかく素敵なワインにしていただいたので、私も頑張らねば。来年早春には販売サイトオープン予定です。どうぞ、よろしくおねがいいたします。
※おまけ
赤ワインも発酵が進んでいます!いい感じです。
ブドウを優しく押し込む桒原さんの手(手ピジャージュ!)
2020/10/28
赤ワインを仕込みました

10月25日、26日、両日とも穏やかな秋晴れの中、農花ヴィンヤードのカベルネフラン(ほか、少量の黒ブドウ品種)の収穫をしました。
県内のみならず、遠くは鎌倉からお手伝いに来てくれたみなさまの協力もあり、なんとか230キロを取りきることができました。
長野市から来てくれた玉尾彩智子さんと、ご友人の竹澤智美さん。たまちゃんは、2年前、クリスマスのアルザスへの花留学にご一緒したフローリスト。とても素敵な作品を作ります(作品集はこちら)。竹澤さんは、滞在中の八ヶ岳から駆けつけてくださいました。素敵な二人の笑い声とおしゃべりで、泥臭い畑が一気に華やかに!!
アルカンヴィーニュ2期生の仲間、困った時にいつも助けてくれるヴェレゾン・ノートのお二人も来てくれました!ワイン販売では3年先輩なので、収穫も慣れたもの。私も気づいていなかったブドウの状態についていろいろ教わることができました。
雑誌編集者時代にお隣でお仕事をしていた文筆家の永峰英太郎さんも来てくれました!久しぶりにお会いできてとてもうれしかったです。「どうしてここに決めたんですか?」「このあとブドウをどうするんですか?」物書きのサガですね、質問攻め。おしゃれな車が農道の泥で汚れないか、私はドキドキでした。
終わりのころには、やはりアルカンヴィーニュ同級生のグランミュールの川口さんも参戦。今年ファーストビンテージをリリースしたばかりのもと金融マンのブドウ農家です。ご近所に畑があるので、顔を合わせるとおしゃべりして情報交換しています。私よりずっと広い畑を拓き、今期は1トンを超えるシャルドネを収穫! 川口さんの今年のワインもとても楽しみです。
初収穫の記念にパチリ。私の宝物の写真になりました。
27日は朝から、糠地のワイナリー、テールドシエルさんで仕込み。24日に収穫しておいた糠地地区のブドウ農園付きレストラン、サンヒルズ小田さん(残念ながら先日閉店)のブドウ150キロ(メルロー他)とあわせて、合計380キロにもなりました。
テールドシエルさんでは、除梗破砕機を使わず、手作りで穴をあけた板の上で、ブドウをころころ転がしながら、手でひとつひとつ除梗(ブドウの軸を取り除くこと)します。
けっこうなブドウの量だったので、糠地地区で家族のようにお世話になっているご近所のスミエさんが、お仲間といっしょに、手除梗のヘルプに来てくださいました。スミエさんは、数トンにも上るテールドシエルさんと委託醸造の生産者たちのブドウの面倒を見ているので、収穫も手除梗も、すっかりプロフェッショナル。30箱以上もあったブドウの山もあっというまに処理してくださり、3時間足らずで終了。私はエプロンの付け方から指導していただき、コツを教わりながら参戦しました。
このあと、ブドウたちは、粒のまま、ステンレスタンクに投入されます。さあさあ、あとは発酵が始まってくるのをひたすらを待ちます!